マインドフルネス・認知行動療法研究会の会長を務めます，高沢悟と申します。
　日頃は愛知県内の精神科病院と東京のメンタルクリニックで医師として臨床に携わっております。
　私自身、マインドフルネスを正式に学んだ訳ではありませんのでこういった研究会の会長に必ずしも適しているとはいえませんが，各分野でマインドフルネスの実践を行っている有志の皆さんと共に，研究会を通して勉強をして行ければと考えております。

　日頃は精神科臨床という分野でマインドフルネスと関わっていますが，研究会で教育機関や企業など様々な分野で活動されている方々と接するたびに，マインドフルネスの応用の可能性にいつも驚いています。
　また，いかに自分が限られた価値判断のもとで機械的に過ごし，本当に体験をすることなく多くの時間を費やしているのかを実感します。
　
　気分の落ち込みや不安にとらわれること，体調の不良などたくさんの心配事で日常は埋め尽くされていますが，一瞬一瞬がかけがいのない一度きりの「今」という貴重な体験であることを，どうしても私たちは忘れがちです。

　マインドフルネスは，「今」体験していることへの「気づき」のテクニックです。いつでもどこでもだれでも実践できる方法です。
　しかし，それがなかなか難しいことなのです。

　研究会を通して私が気づいたこと，一期一会に知り合った方々，そういった貴重な体験を大事にして，更に多くの出会いや発見ができることを願っております。